大半の治療院や整体は「緩める」ことを目的としているが

腰痛などを含め、様々な不調を訴えたとき、どうやってコンディションを整えるかという課題が出たときに、「ストレッチ」や「マッサージ」を思い浮かべる方はとても多いと思います。

以前にも似た記事を書きましたが、重要なのでまた書きます。

コンディショニングの本質は、筋肉の機能を回復させることにあります。骨格の歪みや、過剰な緊張、力が出にくい、痛みなど、不調の原因のほとんどが筋肉の機能が一時的に低下してしまっている「弱化」という状態にあります。

テントをイメージすると分かりやすい

テントを張るとき、骨をロープで多方向から引っ張ることによって支えます。これは人間とまったく同じ仕組みです。骨を筋肉で引っ張り合うことによって支えます。

では、なんらかのストレスを受けて、ロープの緊張が強くなることと、緩んでしまうこと、どちらが多いでしょうか?
圧倒的に緩むことのほうが多いのです。人間も同じくです。

特に人間は、ストレスを受けたことによって、筋肉がもとの力より強くなるなんてことはほぼあり得ません。

ひとつのロープが緩むと、全体はどうなるでしょうか?

正常であるロープが相対的に強くなってしまうので、正常なロープのほうに骨が引っ張られてしまいます。

これが歪みです。

身体の歪みを改善するためには、弱化した筋肉、つまり緩んだ筋肉を特定し、正常な働きに回復させなければなりません。

弱化の改善「促通」の方法をどれだけ幅広く持っているか

ここでトレーナー、整体師の技術というのがどういった点で判断できるかが分かります。

・弱化している筋肉を探し出せる分析能力
・弱化している筋肉を促通するテクニックの幅

ということになります。

マッサージが出来ても、ストレッチが出来ても、この弱化の改善が出来なければあまり役に立ちません。

弱化の原因は様々で、

・トリガーポイント(筋肉に出来たコリのようなもの)
・神経信号の不具合(背骨の歪みなどによる)
・リンパの流れ
・内臓の位置欠陥や機能低下
・足の歪み
・さまざまな連動性の中で起こる反応
・栄養

などときりがありません。

これほど考えるべき問題点の幅がある中で、マッサージやストレッチ、電気など、緩めることを目的とした施術のみで身体を改善することはほぼ不可能なのです。

不調一つとっても、その不調の原因が身体のどこかに弱化筋が隠れていることがとても多いです。

そこまで探してくれるトレーナーと出会えているかどうか、本気でスコアアップを目指す方にとって、とても重要です。

参考までに。



縦書き文書.001
書籍版ゴルフスイング物理学