伸張反射を利用するとは?

「切り返しのタイミング」ということをよく聞かれますが、これについては体の生理反応のひとつである、「伸張反射」について考えることもヒントになります。

「伸張反射」とは、リラックスしていた筋肉が外部の力によって突然引っ張られた時に、「それ以上引っ張られると筋肉が切れてしまう!」という反応で素早く収縮しようとする反射です。

体が壊れないように守るための反応なので、通常の筋活動よりも強い力を発揮しやすいのです。

これを有効に使うことで、ダウンスイングで爆発的な力を発揮することができます。

垂直跳びをイメージするとタイミングがわかる

「伸張反射」を使った運動の代表例は垂直跳びです。思いっきり高く跳ぼうとすれば、自然とリラックスした状態から急激にしゃがみ込み、その反動でジャンプします。

そのしゃがみこむ動作を重力に逆らわずに行うことによって、お尻や太ももなどの筋肉に伸張反射が起こるのです。(伸張反射を起こして戻らなければ、膝や腰などに大きな負担がかかってしまうため)

バックスイングをゆっくり行えば良いかといえば、そうでもないのです。

伸張反射を起こすためには、リラックスした状態からある程度のスピードをつけてバック「スイング」して、慣性の力でクラブに引っ張ってもらわなければなりません。

その反動で切り返すという形になります。

切り返しでこの反動を使うことによって、ダウンスイングで爆発的な力を出しやすくなるのです。

松山選手のトップでの「間」については

ここで疑問が枠のが、松山選手に見られる「間」です。

しかし、松山選手はトップの位置からわずかながら左足を踏み込む動作を行って伸張反射を起こしています。

完全に止まった状態から打っているわけではないのです。

体幹部や肩甲骨、そして股関節の柔軟性があるために、トップでリラックスできるというのが松山選手の凄さなのです。

トップで可動域が限界にきてしまう、柔軟性が普通のゴルファーでは到底なし得ない技なのです。

くれぐれもトレーニングを積んでいない体で真似しないように・・・と忠告させていただきたいところですね。



書籍版ゴルフスイング物理学
縦書き文書.001