必要なのは「目」そして指導や提案ではなく「構築」
なんでプロなのにコーチが必要なんだろう?という疑問を持つ方は多いのではないでしょうか。まして、80台で回るようなコーチがプロに指導するなんて・・・という疑問も同じくです。
私が考えるコーチのあるべき姿や、あるべき姿勢について考えを書きたいと思います。
プロゴルファーに必要なコーチが持っているべきもの、それは「目」と「構築」という考え方です。
「目」とは、選手にとっての精確な客観視
まず「目」について。
ミスが出たとき、ナイスショットが出た時、どうなっていたか?これがどれだけ具体化出来るかどうかです。そしてスイング動作を見た段階で、身体のコンディションがどうなっているかを判別する能力です。
「おや?シャンクが出始めたな。」
これにどういう見解を持てるかによって話が変わってきます。最終的には「フェースが開いたまま、ヒール先行で当たっている」ということになるのですが、この原因をどこまで深堀りできるか。
例えば左膝が前に流れた、というところに目が行ったとします。そこで目の弱い指導者は、「左膝が流れないように」で終わります。レベルを少し上げると、「足関節の回内や股関節の内旋動作が鈍ってきた」というところに発展し、さらに、梨状筋や中臀筋の疲れで硬さが出てきたかな?足裏のアーチが崩れて内転筋や前脛骨筋が弱くなっていないかな?となるわけです。
ここまで原因を具体化できれば、それらの筋肉にピンポイントでアプローチして、即座に動作を良い状態に戻すことが出来ます。
このように、動作を見て身体の状態をスキャンする「目」が必要なのです。もちろんこれは選手にも必要な考え方ですが、選手に身体の知識で負けているようなコーチは当然必要ありません。
「構築」という考え方
コーチが行うべきは「指導」ではなく、プレーヤーとともにスイングを研究していくという「構築」の作業ではないかと思います。その構築のための情報ソースとして身体の仕組みや物理現象などからの提案を行うというスタンスで、取り入れるべきかどうかの判断もプレーヤーといっしょに考えるというスタンスを崩してはならないと考えています。
多量の正しい情報と、「構築」という考え方をもってプレーヤーとともに切磋琢磨していける関係性を作っていくことこそ、プレーヤーが最高のスイングに近づき、最高の力を発揮できる環境を作っていける要素なのではないでしょうか?
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