「筋トレ」をして成績が落ちた?

筋トレ否定派は筋トレを知らないだけ

よくこんな話を耳にします。

「あの選手は筋トレしてダメになった。ゴルフに筋トレは必要ない。」

まず、その選手が筋トレ以外に何もしてなかったのか。

そしてその選手が筋トレをせずに同じシーズンを迎えた場合の比較がないこと。

全てにおいて検証が甘すぎる。

という前提話はおいておきます。

筋トレは必要なのか、それとも害なのかという話。

それもこれも、「筋トレ」と、「筋トレ」をそれ単独で浮いた話にしてしまうことに問題がある。

動作に必要な筋力は間違いなくあります。

車で言えば、エンジンが強ければその分走ります。
エンジンを鍛える筋トレであれば、間違いなく良い結果が期待できます。

しかし、人間がゴルフスイングをする際に、どこの筋肉がエンジンなのかということをしっかり考慮せずにトレーニングしてしまえば、結果は悪い方向に進むと考えられます。

例えば回っているし地面についているし、ということでタイヤを鍛えてしまったらどうなるか。

タイヤが重くなってスタートが不利になる。

ベアリングの性能が悪い状態でエンジンを鍛えまくったらどうなるか。

加速途中でブレてスピードが出ない。

そんなイメージで、とにかくヘッドスピードを効率的に上げるために、どこを鍛えるべきか。

そしてどこは鍛えないべきなのか。

これをしっかりと考察出来ているかということの問題なのです。

筋トレ否定派は、動作、身体、物理、そして筋トレについてもう少し良く考えた方が良いし、否定することによって自分の理論が売れるということを考えている、ただのマーケティングであるなら直ちに指導者を辞めるべきです。

子供がいくら良いスイングをしたって、飛ばないし世界では勝てない

筋力のない子供が美しいスイングをしていたとします。

そして見事にパープレイで回ってきた。

すると筋トレ否定派は、「やっぱり力じゃない。とにかく動作を磨くべきだ。」と言います。

しかし、世界のトップで戦うためには、精度の高いドライバーを遠くまで飛ばさなきゃいけないし、出来るだけ短いアイアンでグリーンを捕らえなきゃいけない。

要するに、一旦結果が出なかったとしても、筋力をつけて、調整をして、を繰り返しながらスイングを作っていかなければ、最終到達点が低くなる指導で終わってしまう。

筋トレ否定派は、美しいスイングを作れる可能性はほんの少しはあっても、世界で勝てる選手を育てることは出来ない。

筋トレ、そして身体の動作というものについてもっと考察すべきだと感じます。



縦書き文書.001
書籍版ゴルフスイング物理学