技術が圧倒的に高くなければ勝ち続けられない

メンタルトレーニングの中にある考え方として、本番でベストパフォーマンスを出すためのテクニック(集中、リラックス、イメージトレーニング等)がありますが、根本的に勝ち続けられる強い選手になるためには、圧倒的な技術力を高めることに集中した方が良いと考えます。

ベストパフォーマンスじゃなくても勝てる。

これがトップアスリートなのです。

メンタルトレーニングを取り入れた直後の大会で優勝して騒がれ、そのまま勝てなくなってしまう選手も実在します。

1回優勝することが目的であればそれでいいのですが、選手としての本当の力を身につけることではありません。

アスリートとしての哲学は、正しい努力を支えるもの

アスリートとしての哲学と聞いて真っ先に頭に浮かぶのは、メジャーリーガーのイチロー選手ではないでしょうか。イチロー選手の日常はすべて野球の技術の向上のために注がれていて、食事、睡眠、休養、すべてが野球です。

そしてイチロー選手自身、自分はメンタルは弱い選手だという自覚をしていて、それを圧倒的な技術で乗り越えるという考え方を持っています。イチロー選手なりの哲学です。

例えばパッティングを考えるとします。

鍛錬されたパッティング技術を持った選手は、自分が描いた理想ラインから1mmずれたらミス。

かたやゴルフを始めて間もない方なら、5センチ外れてもうまく打てたというokラインとなります。

カップの大きさは108mmですから、先の選手であればミスをしたとしてもカップイン。

後の選手はミスをすればカップをはずします。

要するに、圧倒的な技術を持った選手はミスをしながら勝てるのです。

そこまで圧倒的な技術を身につけるためには、並々ならぬ努力が必要で、そこまで精度を高める努力をするための哲学が必要です。

メンタルトレーニングの中身にも、目標設定などの努力をしていくための内容は含まれていますが、まさしくそれはスポーツマンとしての哲学、考え方そのものです。

勝ち続ける選手になるためには圧倒的な技術が必要。

技術にはフィジカルの鍛錬と動作練習の反復です。どれだけ成果にこだわって出来るかというところ。

本番で力を発揮するための小手先のメンタルトレーニングに惑わされないことではないでしょうか。

なにより、「メンタル」は負けたときの言い訳になりますから。

参考までに・・・



縦書き文書.001
書籍版ゴルフスイング物理学