私は理論屋さんとして生きていますが、プロゴルファーはゴルフでスコアを出すこと、勝つこと、さらに言えばファンの方を喜ばせることが生業ということです。

ここには大きなギャップがあって、プロゴルファーとして勝てるようになること、つまりゴルフが上達するためには、理論を知ること以上に血の滲むような訓練が必要です。

多分私の動画を見てすぐにスコアがまとまる方はいないはずです。

スイングを変えた直後に、そのスイングで再現性を出すことはほぼ不可能だからです。

当然全くスイングがめちゃくちゃでスコア200とかがスタートであれば話は別ですが・・・

短期的にスコアを伸ばしたいのであれば、原理ごと変えるような大きなスイング改善はすべきではありません。

現状のスイングでとにかくフェースを正しくコンタクトするという訓練をすべきなのです。

原理を知って練習するということは、長期的な作業と捉えていただく方が良いかもしれません。

私はひたすら原理について考えていますが、ボールを正しく飛ばす訓練は血が滲むほどしていませんので、まだまだバラつきがあって当然ラウンドに行ってもアンダーで帰ってくることはできません。

ただ、ナイスショットと、ミスショットの原因をある程度説明することができます。

感覚でプレーしていると、それができないのが後々響いてくることもあります。

「なんでミスしたんだ・・・???」の、「???」が増えれば増えるほど、不安要素は募っていく。

ラウンドの後半に崩れ始めるとどうしようもなくなってしまう。

「???」が少なければ、冷静にスイングを修正するきっかけが生まれる。

そんなメリットがありますかね。

長期的にスイング改善を考えて、1年後くらいにスコアを今以上にまとめていきたい、というのであれば、ぜひ原理について考えるきっかけとしてゴルフスイング物理学を取り入れていただけたら幸いです。



縦書き文書.001
書籍版ゴルフスイング物理学