無という状態、その概念を理解できていること。
動作においてもメンタルにおいても非常に重要なこと。
動作での「無」についてヒントを。
腕を肩の高さまで上げます。
そこで維持しているとき、重力に対して逆らうための筋力を発揮しています。
つまり、動きは「無」でも、出力は「有」です。
出力を「無」にすると何が起こるか。
腕が落ちます。
「腕を下げる」と、「腕が落ちる」は概念が違います。
「下げる」という意思を持った瞬間、それは「有」の動きであり、
重力に逆らうことをやめただけの「落ちる」は、「無」の動きです。
切り返しのヒント。
重力を使って切り返すのは、
全身を「無」にすることではありません。
グリップエンドを引っ張るきっかけ、力の増幅を作るため、
下半身を「無」にして重心を「落下」させることにより、
上半身の「有」の動作を導く。
上半身を「無」にするための脱力では切り返しはできません。
地面に立った状態から鉄棒に最も強く力を与える方法は、
下半身を抜いて「ぶら下がる状態」にすること。
この時、手は「捕まる」という「有」であり、
下半身は立つという「有」をやめて「無」にすればするほど手の「捕まる」が強くなる。
下半身を力んで立ってしまえば、そこで重力はキャンセルされてしまい、鉄棒に力を与えることはできなくなります。
立っているということ自体が「有」であることを理解できれば切り返しを理解できます。
無の概念を理解できると出力方式を考えることができます。
メンタルはまた別次元にありますが、追って伝えていきたいと思います。